郷土の未来をつくるコミュニティペーパー(山形県庄内地方の地域新聞)
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三セク決算㊤
燃料費など経費増え経営圧迫
売上減少目立ち環境厳しく

 庄内地域の各自治体に整備されている日帰り温泉施設では、燃料費や人件費といった経費が膨らんだ一方で、売上減少に見舞われ、経営が厳しさを増している。物産販売、レジャー、観光・まちづくり関連施設では悪天候や入館者減少の影響などから、全体的に苦戦を強いられた。人口減少や高齢化のテンポが加速し、住民ニーズの多様化も進んでいる中、三セク各社には経営改善に向けた知恵と工夫が求められる。

温泉入浴施設 入浴客の減少傾向続く

 酒田市内で温泉施設を運営している三セクは2社。このうち八森温泉ゆりんこの管理運営などを手掛ける鳥海やわた観光(株)は、単年度収支で928万8千円の純損失を計上し、純利益720万4千円を計上した前期の黒字から赤字に転落した。売上高は6億3267万6千円と、前期比1129万8千円1・8%減った。この結果、累積収支は325万8千円となり、1254万7千円だった前期の26・0%まで減った。
 減収減益の要因は、鳥海高原牧場を無償貸与で運営する初年度だったことから、岩手市場で初妊牛21頭を購入して売上増を目指したが、投資分に見合う利益を上げられなかったこと。燃料費が3228万5千円と前期比612万3千円23・4%、中核事業の鳥海高原ヨーグルトの配送運賃が2412万3千円と同246万1千円11・4%、人件費が2億0192万1千円と同423万3千円2・1%それぞれ増えたことも響いた。
 このうち鳥海高原牧場では、頭数増の一方で昨夏以降に搾乳牛の死亡が相次いだ影響から、生乳販売量が65万8760キロと前期比4万9946キロ8・2%増、生乳売上が6949万8千円と同684万円10・9%増にとどまった。これに伴い稼ぎ頭のヨーグルト工房鳥海の売上も2億4367万6千円となり、前期から707万6千円3・0%増と伸び悩んだ。
 人件費が伸びたのは、調理師の正社員を募集したが確保できず、パート社員を数多く採用したことによる。
 一方、各施設の利用者数は▼八森温泉ゆりんこ18万6534人、前期比2・6%増▼八森自然公園5万2866人同3・9%増▼産直たわわ4万6604人同0・4%減▼湯の台温泉鳥海山荘2万9996人同9・4%減▼鳥海高原家族旅行村2万3287人同6・0%減。ゆりんこの入浴客数は前期比2・4%増の16万4607人だが、16年度はジェットバスの修理で7月12日〜8月5日に休業した。
 温泉施設アイアイひらたを管理運営するひらた悠々の杜(株)は、単年度収支が63万5千円の黒字、累積収支が2209万4千円の赤字となった。売上高は1億451万3千円で前期比10万6千万円0・1%減ったが、温泉入浴収入が4390万7千円で同223万1千円5・4%増えた。回数券の割引販売を年2回に増やしたことが黒字につながった。
 食堂や宴会などの飲食収入は3087万8千円で、同197万6千円6・0%減った。団体客は6425人で同1225人16・0%減。宴会は最大3団体が開けるが、調理場スタッフなどが不足し、1〜2団体で手いっぱいになっている。
 販売費及び一般管理費は8355万2千円で同90万円1・1%増えた。最も大きい水道光熱費は2228万3千円で同96万8千円4・5%増。温泉を休館しなかったことと、12〜2月が例年より寒かったことで電気・灯油代がかさんだ。
 入浴者数は12万1945人で同2701人2・3%増。休館しなかったことと、回数券販売が寄与した。17年1月は、寒波で自宅の風呂が使えなくなった客が訪れ、前期比約千人増えた。
 日中訪れる年配客が減ったり、夜にグループで来る若者客が増えたりと客層に変化がある。その理由を探りながら、割引販売やイベントを続けて集客していく。
 鶴岡市で温泉施設を運営している三セクは3社。このうち温泉施設ゆ〜タウンを管理運営する(株)くしびきふるさと振興公社は、7期ぶりの赤字127万円を計上した。要因は燃料代の大幅な増加。入浴者数も13万7431人で前期比1・4%減り、受託料収入も842万5千円と同16・4%減った。18年度はさらに燃料代が高く、経営の大きな不安材料になっている。
 ぽっぽの湯を管理運営するふじの里振興(株)は90万6千円で前期比60・1%減だったが、3期連続の黒字を確保した。累積収支は黒字決算でやや圧縮したものの、依然749万円の赤字。
 減益の要因は入浴者数が20万213人と前期より0・4%減ったこと。人口減少と高齢化で、入浴者数の減少傾向に歯止めがかからない。経費はほぼ前年並み。
 18年度は新たに、小さな子供の家族客を対象にした託児サービスを毎月第三火曜日に行っている。17年度から続く燃料代の高止まりで経費がやや膨らみ気味で、電気代も猛暑で増えている。
 温泉施設ゆぽかを管理運営する(株)ゆぽかは、収益が47万3千円で前期比54・9%減の大幅減となったが、7期連続の黒字は確保した。
 入浴者数は20万7041人で前期比11・6%減。天井板の張替えで35日間、源泉ポンプの故障で10日間休業したことが影響した。累積収支は300万円を積立に回したため187万3千円で、前期比61・6%減。


物産販売 天候影響し黒字2割減

 鶴岡市の道の駅あつみしゃりんの管理運営や特産品の販売などを手掛ける(株)クアポリス温海は、売上高が2億5872万円、前期比3・3%減で4期ぶりの減収、当期純利益が826万円、同17・4%減で2期連続の減益。累積収支は同7・7%増の1億2500万円と増えた。庄内の主要三セク14社の中では唯一、固定資産税を負担している。
 部門別売上高は、しゃりんの物産販売が2億3020万円で同3・5%減、テナント料収入が1901万円で同2・4%減、施設管理に伴う受託料が954万円で同0・7%増となった。
 物産販売を月別に見ると、前年同月を上回ったのは1、3、6月だけ。ふるさと納税返礼品は同7・3%減と落ち込んだ。新たに加えた温海町森林組合の積み木セットは計44セット40万円を売り上げた。受託料は鼠ケ関マリーナの新リフト導入に伴う免許更新費用分が上乗せされた。補助金は皆減。
 テナントは併設の食堂が2期連続の減収となった半面、別棟の立ちそばは過去最高の売上高を記録、水産加工組合も増収となるなど明暗が分かれた。アイスやたこ焼きを売る直営の屋外バザールも前年を上回った。


レジャー施設 天候に勝てず赤字転落

 道の駅月山や湯殿山スキー場を管理運営する(株)月山あさひ振興公社は、売上高が1億866万円で前期比5・1%減り単年度収支360万円の赤字。15年3月期に旧(株)湯殿山観光開発公社の運営事業を引き継いで以来、減収は2期ぶり、赤字転落は初めて。特に湯殿山スキー場と家族キャンプ村は天候不順で利用が落ち込み、補うことができなかった。
 売上高を部門別に見ると、スキー場やキャンプ村で構成するあさひ自然体験交流施設事業は5652万円で同8・2%減、道の駅と周辺施設で構成する月山あさひ博物村事業は5214万円で同1・6%減となった。このうち市からの受託料は1429万円で同3・4%減。
 キャンプ村は書き入れ時の旧盆期間と9月の連休の降雨で団体客のキャンセルが相次ぎ、売上額は同35・7%減となった。スキー場は前年より17日早い開業だったが、他のスキー場も早期開業し優位性を欠いた。期間中悪天候が多く、リフト座席の埋雪による休業も4日を数えた。利用客は同2割減、売上額は同7・1%減。
 そば処大梵字は、新そば祭りの会場として使ったほか、食べ放題企画も奏功して売上額が同2・0%増。ボルダリング施設・梵字の蔵は会員数が同10・0%増、売上額が同4・0%増。文化創造館は恐竜展が飽きられたのか、入館料収入が26・1%減と落ち込んだ。

来場者減も2期連続黒字

 最上川河川敷の最上川カントリークラブを管理運営する(株)最上川クリーングリーンは、単年度収支1165万9千円と2期連続の黒字。内訳の大半は、会員の権利放棄による預託金の債務免除益839万5千円で、実際の収入は無い。
 業務費及び一般管理費は5781万5千円で、前期比326万3千円5・3%減。大きな水害や機械の故障が無く、コースなどの修繕費がかからなかったことが経費削減につながった。
 売上高は、6588万6千円で、同104万1千円1・6%増えた。年会費を引き上げたことが影響した。累積収支は1643万9千円の赤字だが、債務免除益と管理費の削減、売上増で減らすことができた。
 来場者数は1万5821人で同334人2・1%減。11月末までは前期を上回ったが、大雪の影響で12、1月に減少した。
 1年ごとに契約を更新できる年次会員制度を前期に始め、高齢者に好評を得ている。週末に大会を開いたりして集客していく。


観光・まちづくり 終了処理響き連続赤字

 観光施設の山王くらぶと旧鐙屋などを管理運営する酒田まちづくり開発(株)は、単年度収支542万2千円の赤字で赤字決算は2期連続。しかし赤字幅は1898万3千円を計上した前期から大幅に縮小した。売上高は3569万4千円と、前期に比べ163万2千円4・4%の減少。累積収支は3020万9千円のマイナスとなった。
 純損失の要因は、17年度いっぱいで指定管理を終えた旧鐙屋の終了処理に要する費用がかさんだこと。消費低迷や有名観光地への一極集中が進む厳しい環境を背景に、山王くらぶと旧鐙屋の入館料収入が前期を下回ったことも響いた。
 13年度から指定管理者となった山王くらぶの入館者数は1万5953人と、前期比1441人8・3%減った。旧鐙屋の入館者数は1万1250人で同477人4・4%増えたが、減免措置での入館者が多く、入館料収入の伸びにつながらなかった。
 18年度から山王くらぶの指定管理料を増やしてもらい、18年度は会社を挙げて黒字決算を目指す。


不動産賃貸 買い物客の駐車減少続く

 酒田市中町の商業施設マリーン5清水屋に隣接する酒田駐車ビル(株)は、売上高が6121万3千円と前期比6・8%減。単年度収支は414万6千円の黒字で、累積収支は514万1千円を計上した。
 売上の柱は駐車料収入。清水屋が買い物客用に買い上げたサービス券駐車料1821万1千円と、月極駐車料1628万円、一般駐車料348万8千円を合わせると計3797万9千円となり、売上全体の62・0%を占めた。しかし、前期比6・7%減と年々減少傾向。清水屋の買い物客の動向と連動する。
 年間駐車台数は21万8271台で前期比5・8%減。このうち月極が5万5959台で同2・6%減、清水屋の買い物客などが16万2312台で同6・9%減となった。
 ほかに家賃収入が1641万5千円、地代収入441万3千円、共益費収入175万3千円など、駐車料以外の収入は計2323万円で同6・9%減と減少した。事務棟2階の店舗撤退などが響いた。
 営業経費は6243万4千円で同2・2%増。このうち支払地代が2215万4千円と35・5%を、次いで減価償却費1881万4千円で30・1%を占めた。経費が売上高を上回ったが、雑収入があり単年度収支は黒字となった。
 引き続き空きスペースへテナントの誘致に努める。


ごみ処理・リサイクル 売上高は前期比微増

 (株)鶴岡地区クリーン公社の売上高は、不燃物の中間処理とリサイクルプラザの管理運営に対する鶴岡市からの業務受託料1億3115万8千円で前期比0・4%増。支出は1億3110万9千円で同0・4%増。単年度収支は5万6千円、累積収支は149万8千円。
 総搬入量は3071トンで前期比0・9%減。ペットボトルなど容器の軽量化で重量は減り、容量は横ばい状態。資源となった総搬出量は2018トンで同1・8%減。資源化率は65・7%で同0・6ポイント減。


庄内3町 単年度収支が赤字に転落

 三川町のなの花温泉田田などを管理運営する(株)みかわ振興公社は573万7千円の赤字を計上し、前期540万7千円の黒字から転落した。売上高は2億7999万9千円と前期比980万5千円3・6%増。累積収支は292万6千円で、前期の約3割まで減った。
 増収減益の要因は、販売費と一般管理費が2億0875万と前期比10・0%増えたこと。特に水道光熱費が5178万5千円と同17・9%、従業員賞与が868万2千円と同92・0%増えたのが目立つ。
 売上高の内訳は、文化館なの花ホールが7019万7千円と同268万4千円3・7%減ったものの、利益率の高い田田の宿が1億0155万5千円と同6・2%、なの花温泉田田が1億0047万3千円同6・8%、道の駅が777万3千円と8万8千円1・1%それぞれ伸びた。
 田田の宿の宿泊者数は1万4007人で前期比10・2%増。全体の6割が新潟、宮城両県、東京都などからのビジネス客や観光客、帰省客など。工事関係者の長期利用も目立った。なの花温泉田田の入浴者数は21万2千人で同2・9%増えた。

ふるさと納税で赤字解消

 庄内町の(株)イグゼあまるめは、同町ふるさと納税返礼品の商品調達と発送作業を行う特産品販売事業が好調で、売上高は7億4936万5千円と前期比44・4%増。単年度収支は1160万7千円の黒字で、累積収支は219万1千円と、これまでの繰越欠損金941万6千円を解消した。
 ふるさと納税が約6万6千件、10億8千万円を超えたことから、特産品販売事業が、なんでもバザールあってば等も含め計6億2485万8千円と前期比59・4%増となり貢献した。
 アクア庄内の温水プール事業は売上4359万1千円の同1・7%増と堅調。年4回の健康づくり教室が好評で会員増につながった。
 温泉事業は年間入浴者数が9万8455人で前期の10万4938人を下回った。売上は5016万8千円と同4・3%減。レストラン事業も1798万6千円の同8・9%減となった。

灯油代値上がりで利益半減

 遊佐町の道の駅鳥海ふらっとや宿泊施設遊楽里などを管理運営する遊佐町総合交流促進施設(株)は、売上高9億2954万8千円で前期比1・0%減。単年度収支は602万5千円で前期から半減。灯油代の値上がりが響いた。
 売上高の55・1%を占めるのはふらっとで、食堂やパン店などの直営部門2億6947万4千円と、農水産物の直売部門2億4284万5千円の計5億1231万9千円。前期比では2・2%減少した。入込客数は直営部門約27万5千人で同1・5%減、直売部門25万7千人で同6・3%減。町内は自然資源を生かした観光施設が多く、週末の天候が悪いと来訪客が減り、ふらっとの売上にも影響する。
 次いで遊楽里の売上は2億1667万8千円で同1・8%増。年々県外からの宿泊客が増えているが、イベントのある時は満室になる一方で、そうでない時は空きが多いため、イベントを増やす必要がある。施設の稼働率からも、全体の売上を伸ばすためには遊楽里の売上増が必要。
 同社では町内の9施設を管理運営しているが、施設ごとの収支では、ふらっとと西浜キャンプ場(コテージ)は黒字だが、他はとんとんか赤字。町内で最大級の雇用の場となっていることもあり、全体で黒字となれば良いと考えている。


庄内の自治体が資本金の25%以上を出資している第三セクター(会社法法人)の2017年度決算

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