郷土の未来をつくるコミュニティペーパー(山形県庄内地方の地域新聞)
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酒田地区ごみ焼却施設
基幹的設備改修し延命図る
4年間掛け約44億円投入し

 酒田、庄内、遊佐の1市2町で構成する酒田地区広域行政組合(管理者・丸山至酒田市長、以下「組合」)は同市広栄町3丁目のごみ処理(焼却)施設の改修に向け、今年度から基幹的設備改良工事に乗り出した。ごみ処理施設は2002年3月の竣工から今年同月で17年が経過し、耐用年数といわれる20年に近づいたことなどから、4年間を掛けて延命策を講じることにした。一方、同地区のごみ処理量は人口減少を背景に減少してきているが、住民1人1日当たりの排出量は逆に増えるなど、解決するべき課題も見受けられる。(編集主幹・菅原宏之)

荏原環境プラントと契約

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酒田市広栄町のごみ焼却施設

 組合はごみ処理施設の改修に向け、基幹的設備改良工事の条件付き一般競争入札を18年8月2日に行い、荏原環境プラント(株)東日本営業部(東京都大田区)が税別40億9千万円で落札した。予定価格の同40億9216万9千円に対する落札率は99・9%。応札した企業は1社だけだった。同社は現ごみ処理施設の設計施工を手掛けた(株)荏原製作所(同)のグループ会社。
 組合は同年8月29日に開いた酒田地区広域行政組合議会(議長・佐藤猛酒田市議)8月定例会に、基幹的設備改良工事の請負契約締結案を上程し、組合議会から議決を得た。これを受け組合は翌30日、荏原環境プラント東日本営業部と、工期を22年3月末までなどとする請負契約を結んだ。
 事業内容を見ると18年度は、当初予算の2億5590万6千円を使い、▼ごみを積んだ状態と下ろした状態で車両の重量を計り、ごみの搬入量を測定している計量機のシステムを更新▼ごみ処理施設で使う電気をすべて賄い、余った分は売電もしている廃熱利用の蒸気タービン発電に用いる発電機の部品交換―などを予定している。
 ごみ処理施設には1号炉と2号炉の2系統あることから、その後の19、20年度は1系統ずつ破砕機の更新や給塵装置一式の更新、制御盤の部品交換などを行う。最終の21年度はごみクレーンの更新や破砕機の更新などを想定している。こうした一連の改良工事によって、15年程度の長寿命化が図られる見通しという。
 総事業費は44億5176万円。二酸化炭素の排出抑制につながるものが補助対象となり、その2分の1を助成する環境省の二酸化炭素排出抑制対策事業費交付金を活用する。同交付金では施工監理も補助対象になっていることから、国による助成額は現段階で計約17億円を見込んでいる。


地区内ごみ処理量は減少

 ごみ処理施設の延命に、ごみの減量化は欠かせない要素の一つ。組合が公表した酒田地区の17年度の処理状況を見ると、①可燃ごみ②粗大ごみ③資源ごみ④埋立ごみ⑤ペットボトルを合わせた処理量は計5万92・2トン。13年度は同5万1634・2トンだったので、この4年間に1542・0トン3・0%減った。内訳は②が増えたものの、①③④は減り、⑤は横ばいだった。
 一方で同地区の17年度の住民1人1日当たりのごみ排出量は977グラムと、比較可能な15年度の957グラムから20グラム2・1%増えた。
 こうした状況を踏まえ阿部博・組合事務局長は「住民1人1日当たりの排出量は増えているのに処理量が減ったのは、人口減少の影響によるところが大きい。そうした背景もあり、今後処理量が増えていくことは考えにくい」と分析する。
 しかし15年度の住民1人1日当たりのごみ排出量は山形県平均が927グラム、全国平均が939グラムで、酒田地区の排出量は県平均と全国平均を上回る。
 その要因に、齋藤司・市環境衛生課長は山形県循環型社会白書17年度版のごみ質分析結果(16年度間平均値)を示した上で▼ごみの種類を見ると、木・竹・わら類の県平均が全体の6・7%なのに対し酒田地区は同13・5%と、県内8地区の中で最も高い▼紙・繊維類の県平均は全体の49・4%だが、酒田地区は51・4%と、鶴岡地区の57・8%、置賜広域行政事務組合地区の53・3%に次ぎ県内8地区の中で3番目に高い―ことなどを挙げる。
 このうち紙類については、酒田市が17年度から菓子・ティッシュなどの箱や包装紙・カレンダー、紙袋といった雑がみを、可燃ごみではなく、資源として再利用する取り組みに注力している。雑がみは集団資源回収や紙類資源の日に出してもらうか、資源ステーションに出してもらっている。
 阿部組合事務局長は「ごみの一番の発生元は家庭であり、可燃ごみの50%は水分。発生元で水切りなどをしてきちんと分別し、雑がみの再利用も進めてもらうと減量化につながる。住民一人一人がそうした意識を持つことが大事」と話す。


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