酒田地区広域行政組合管内の2024年の火災・救急・救助の状況は、火災36件のうち建物火災が25件と69・4%を占め、全焼が増えたために損害額が大幅に増えた。出火原因は放火・放火の疑いが11件に上った。救急出動は6192件、搬送人数は5715人と、ともに前年より減った。救助出動は56件、活動件数は44件といずれも前年より減ったが、救助人数は大雨災害の影響で救助者が増えたことから113人と、前年の2倍を超えた。(編集委員・戸屋桂)
酒田地区広域行政組合消防本部によると、火災件数は前年比1件2・9%増の36件。1~4月は7件で同9件56・3%減だったが、5月が10件で同9件増、6月が5件で同3件増、7月が4件で同4件増と、3カ月で19件と前年比16件533・3%増となった。
36件のうち酒田市が31件、庄内町2件、遊佐町3件だった。
火災種別では、建物が25件で前年比1件増、車両が5件で同4件増、林野は1件で増減なし、その他5件で同4件減。焼損棟数は全焼20件で同14件増、半焼3件で増減なし、部分焼3件で同2件減、ぼや19件で同4件増だった。
全火災の損害額は5億9745万4千円で、前年比5億4161万8千円、970%増と大幅に増えた。1件当たりの焼損額は1659万6千円で同1500万1千円増と大幅に増えた。
死者は2人で同1人減、負傷者は7人で前年と同じだった。
出火原因を見ると、放火・放火の疑いが11件で最も多く、次いでたき火3件、マッチ・ライター1件、ストーブ1件、電灯・電話等の配線1件、溶接機・溶断機1件、配線器具1件、電気装置1件、電気機器1件。その他が6件、不明が9件だった。
今春は岩手県大船渡市で大規模な林野火災(山火事)が発生するなど、全国各地で林野火災が相次いだ。昨年5月には南陽市でも大規模な林野火災が発生していることから、消防本部では「全国的に林野火災の原因は、たき火、火入れ、たばこによるものが多く、発生時期は乾燥する3月から6月が多くなっている」と注意を呼び掛けている。
ホームページでは、山形県内の林野火災の発生状況や林野火災の特徴を知らせ、たき火や火入れの際の注意点なども示している。各関係機関と協力して、火災予防啓発活動も行っている。
救急出動件数は6192件で前年比236件3・7%減、搬送人数は5715人で同259人4・3%減だった。4~10月の熱中症特別警戒期間中は、特に6~9月の出動件数が前年より減少した。
出動件数/搬送人数を事故種別に見ると、最も多いのは急病4451件/4149人。次いで一般負傷886件/838人。交通事故239件/227人。自損行為45件/29人。労働災害42件/42人。運動競技36件/35人。火災27件/6人。加害9件/8人。水難6件/3人。その他451件/378人。
搬送人数を年齢別に見ると、高齢者が4371人と全体の76・5%を占めた。前年より人数は170人減ったものの、割合は0・5ポイント高くなった。
成人は1137人で19・9%、少年は110人で1・9%、乳幼児は95人で1・6%、新生児は2人で0・1%だった。
救助出動件数は56件で前年比14件20%減、うち活動件数は44件で同7件13・7%減、救助人数は113人で同61人117・3%増となった。
事故種別での出動件数/活動件数/救助人数は、交通事故が22件/15件/19人と出動・活動件数は最も多かったが、自然災害は4件/4件/66人と救助人数では最多だった。昨年7月25日からの大雨災害で、被害の大きかった地区から救助した人が多かったため。
ほかに建物等による事故が8件/7件/6人、水難事故7件/6件/9人、山岳事故7件/7件/7人、火災2件/2件/2人、その他6件/3件/4人だった。