郷土の未来をつくるコミュニティペーパー(山形県庄内地方の地域新聞)
Community News Web Site
郷土の未来をつくるコミュニティペーパー(山形県庄内地方の地域新聞)
Community News Web Site
全文掲載

遊佐町
「規制対象事業」に再び認定
秋田の業者の鳥海山麓採石事業

 建設・採石業者の川越工業(株)(秋田県にかほ市、川越恵次代表取締役)が、鳥海山麓の遊佐町吉出臂曲地内の所有地で岩石採取事業を計画している問題で、同町は18日、町が制定する遊佐町の健全な水環境を保全するための条例(以下、水環境保全条例)に基づき、同社が9月25日付で提出していた事前協議書の対象事業は、事業を実施できない「規制対象事業に該当する」と認定した。町は今年5月に続き、同社の岩石採取の事業計画を再び規制対象事業と判断した形となった。(編集主幹・菅原宏之)

 町は19日午前、髙橋務副町長と担当者の2人が同社に赴き、規制対象事業とする旨の通知書を手渡した。
 同社は今年3月11日付で、標高390メートル地点の事業面積2万5646平方メートルのうち、採掘区域8883平方メートルを最大30メートルの深さまで掘削するとした事前協議書を町に提出。町は5月26日に規制対象事業に認定した。今回提出した事前協議書では、前回と同一地点の事業面積のうち、採掘区域を約1千平方メートル縮小して7889平方メートルとするとしていた。
 町は18日に町長、副町長、教育長の3役と課長7人などで構成する課長会議を開き、規制対象事業に該当する、と決定した。
 町はその理由に、同社の事前協議書の対象事業が▼地表から地下2メートルの深さを超えて土石を採取し、地形を改変する事業▼事業区域の面積が1万平方メートルを超えるもの▼一部事業区域が過去に土石の採取が行われた区域―であることを挙げた。
 その上で、これらは規制対象事業を定めた水環境保全条例第16条第1号「森林等の水源涵養機能を著しく阻害し、水源涵養量の減少をもたらすおそれがある事業」の基準を定めた、同条例施行規則第9条第1号、第3号及び第4号の規定に該当する、と判断した。
 これらの規定に形式的に該当しても、森林等の水源涵養機能を著しく阻害せず、水源涵養量の減少をもたらすおそれが無いことが明らかになれば、条例第16条第1号に該当しない、との判断に至る場合もあり得る。
 この点について、町は「提出された資料からは、水源涵養量の減少を伴わないことが明らかであるとは評価できない」と結論付けた。

トップへ戻る