庄内の年末年始の人出や消費動向を各方面に聞いた。いろは蔵パークに移転した酒田観光物産館酒田夢の倶楽は客足、売上とも伸びた。酒田港のコンテナホテル・キャンプスも利用が増えた。最大9連休で旅行取扱額は大幅に増加した。天候の影響で、湯野浜温泉の宿泊者は平年並み、湯殿山スキー場は年末まで好調、初詣客は減少、飛島航路は過去最長の連続欠航日数を記録した。庄内空港羽田便も欠航が増えた。三が日のごちそうは一段高いものが売れた。(本紙取材班)
酒田市みなと市場テナント会長の小松祐輔小松鮪専門店代表によると、同店の12月27日~1月4日の売上と来店客数は前年同期から1割増となり、売上、来店客数とも現在地に移転開業してからの15年間で最多だった。
正月準備の客などを中心に大半が地元客だったが、従来の秋田県由利本荘市以南に加えて、男鹿半島や大館市といった同県中部~北部の客が目立ち、新庄市など県内陸の客も多かった。
従来は高級品のマグロの大トロが人気だったが、物価高の影響もあり、中トロがよく売れた。ただ1人当たりの購入量が増えた影響で、客単価は前年から上がっており、「物価高で厳しい暮らしが続く中、正月を前に財布の紐は多少緩んだようだった」とみている。
小松会長は「いろは蔵パーク開業の影響などもあり、年末年始は売上、来店客数とも現店舗では過去最多を記録できた」と総括した。
酒田観光物産館酒田夢の倶楽では、12月27日~1月4日の売上が前年同期比で83・2%増えた。いろは蔵パークに移転してから初めての年末年始となるため、売上増を予想して前年より多めに仕入れていたが、想定以上に客足が伸び、品薄状態になる菓子もあった。

想定以上に客足が伸びた夢の倶楽
グッドライフアイランド合同会社(本間当代表)によると、酒田本港ふ頭交流施設サカタントの12月27日~1月4日の入館者数は4170人。前年同期の4667人より497人10・6%減った。
前年同期は飲食店のテナント6店で7日間営業したが、今年は5店、6日間だった。今年の1日当たりの入館者数は695人で、前年同期の667人より28人4・2%増えた。ピークは29日の1041人だった。
雪や風が強い日が続いたが、あまり影響はなかった。20~30歳代の帰省客や家族連れが中心で、新潟、秋田、宮城など隣県の客も多かった。関東ナンバーの車やキャンピングカーも来ていた。
コンテナホテル・キャンプスの客室稼働率は12月が3割、1月は23日までで3割だった。宿泊者数は前年同期比で12月が220%、1月が23日までで190%。12月27日~1月4日は帰省客の利用が中心だった。
2024年から自社のウェブサイトに加え、楽天トラベルやじゃらんでも予約できるようにしたことで、宿泊者数が増えた。
本間代表は「サカタントでは魚メインの和食料理の新店舗を、4月上旬にオープンする予定。サカタント、キャンプスともに前年と同じような利用数を維持できる見込みで、クルーズ船で来る観光客も呼び込みたい」と話した。
湯野浜温泉観光協会によると、12月27日〜1月4日の旅館とホテルの利用状況は、12月31日~1月2日は全館でほぼ満室となったものの、それ以外の日は悪天候によるキャンセルもあり平年並みに落ち着いた。
悪天候で外を歩く人がいないため情報は断片的だが、客層は平年通り国内客が中心だったとみられる。台湾からと思われる外国人旅行客も多少見られた。
湯殿山スキー場の12月27日~1月4日のリフト利用客数は4650人。前年同期の4330人から320人7・4%増えた。
12月31日までは、県内の他のスキー場が雪不足で休止していたことから、客は雪が豊富で全コース滑走可能な湯殿山スキー場に集中した。しかし1月1日以降は、県内各地にまとまった雪が降ったことで他のスキー場にも分散し、利用がやや伸び悩んだ。
客層は例年同様、家族客や帰省客が多かった。コースにR形状の壁を多数設けた「R天国」を目当てに、県外客やプロ選手も訪れた。
鶴岡市の荘内神社の1月1~3日の初詣客は約7万2千人と、前年同期の約8万人から8千人10・0%減った。雪やみぞれの降る不安定な天気が影響した。
出羽三山神社も、1月1~5日の初詣客が4万8千人と、前年の約5万5千人から7千人12・7%減った。
酒田市の下日枝神社の1月1~3日の初詣客も、前年同期よりやや減った。
(株)庄交コーポレーション庄交トラベルの12月27日~1月4日の総取扱額は、前年同期比51・3%増と大幅な伸びを示した。前年の12月28日~1月5日の67・8%増には及ばなかったが、2年連続で好調を維持した。
薮下博朗同社執行役員によると、総取扱額が伸びたのは、昨年に続き最大9連休となった日並びの良さを背景に、中小企業の経営者や医師などの高額所得者や家族連れの動きが活発化。遠方への需要が増えて国内、海外とも旅行日数が伸び、客単価が上昇したため。
国内旅行はこれまで同様、大半を個人客に向けた国内手配旅行、宿泊プラン、航空券と宿泊のセットなどの販売が占めた。行き先は東京ディズニーリゾートを含む東京方面が圧倒的に多く、次いでユニバーサル・スタジオ・ジャパンを含む関西方面、以下、庄内を中心とした温泉旅行の順だった。
海外旅行は、大手他社が主催したパッケージ商品の代理店業務で、欧米とアジア方面を扱った。前年の取扱件数は3組だったが、今年はそれを上回っている。
円安の影響でジェット燃料や滞在費の高騰などが続く中、価格帯は欧米が大人2人参加の6泊8日で1人60~70万円、アジア方面は3伯4日で大人1人20~30万円が主流を占めた。
今年は羽黒山午歳御縁年に当たり、JR東日本重点共創エリア・山形庄内観光キャンペーンが7~9月に展開される。さらに米国大手メディアのナショナルジオグラフィックの「2026年に行くべき世界の旅行先25選」に山形県が、同旅行ガイドブックのフォーダーズ・トラベルの「訪れる価値のある世界の10の目的地」に鶴岡市が選ばれるなど追い風が吹いている。
これを踏まえ訪日外国人旅行客や日本人に向けた商品をネットで販売していく。特に昨年発売し、欧米豪を中心に人気が高い精神文化ツーリズム「湯殿山・生まれ変わりの旅」山伏修行体験の受け入れ拡大に注力し、酒田港へ大型客船が寄港する際には、シャトルバスやオプショナルツアーなど、乗船客の受け入れ対応も複数回予定している。
コープの生活協同組合共立社では、初めて正月三が日を3連休にした。12月27日~1月4日の9日間のうち3日間休んだ分、買い物客数は減ったが、物価高騰でほとんどの商品が値上がりしているため、客数減ほど売上は落ちなかった。休みを見越して買いだめをしたのか、12月31日は例年より売上が増えた。
すしやカニ、刺し身、オードブル、すき焼き用牛肉などのごちそうの予約件数は前年同期を下回ったが、単価が上がったため売上は前年同期並みになった。3~4人前の動きが良かった。特に牛肉の中でも、すき焼き用山形牛が売れるなど、一段上の商品が売れ消費を抑えている感じは無かった。
おせちセットの予約が好調だった。和風三段重よりも、和風・洋風・中華の3種類の一段重から二つ選ぶタイプが人気となった。一方で黒豆やかずのこなど、おせち料理の単品は、栗きんとん以外は動かなかった。
贈答用のビールはアサヒビールがサイバー攻撃で品薄だった影響もあって、売上は前年同期比89%。コーヒーの詰め合わせに替えたのか、コーヒー類が売れた。
鏡餅は前年同期比100%、餅は同98%、とち餅は、クマ出没で山にトチの実を取りに行けなかったため、品薄だった。
酒田市定期航路事業所によると、酒田港と飛島を結ぶ定期船とびしまは、12月24日~1月14日の連続22日間欠航し、これまでの連続欠航期間16日を更新する過去最長となった。年末年始を含め冬季に1~2週間欠航することは珍しくないが、今回は長かった。
定期船は、海上の風速が15メートル、波高が3メートルに達する恐れがあるときや、波浪注意報・警報、強風注意報・警報が出ると運航できないが、ほぼ毎日この注意報が出ていた。同事業所が独自の情報から欠航を判断したのは2日間のみだった。
1月15日に臨時便が出せそうだと前日に判断し、飛島に職員を置いている事業所や島民などに告知し、前日の荷物の受付窓口の時間を延長した。荷物は食料品を中心とした日用雑貨品334個と灯油10個の計344個と、普段よりかなり多くなった。人は島民13人、事業所と行政の交替職員など7人の計20人を乗せた。
16~18日は再び欠航した。19日にも食料品を含む215個の荷物を運んだ。20日からまた連続で欠航し、1月いっぱいは運航が危ぶまれている。
全日本空輸(株)庄内支店によると、庄内―羽田便の12月26日~1月4日の搭乗客数は計1万752人。前年同期の1万1073人より321人2・9%減った。提供座席数は1万5380席で同137席0・9%多かった。
提供座席数が増えたのに搭乗客が減ったのは、大みそかと元日などの悪天候で欠航が昨年の2便から10便に増えたため。