郷土の未来をつくるコミュニティペーパー(山形県庄内地方の地域新聞)
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物価高騰
交付金活用策、中身も時期もばらばら
多くは春から、半年先の自治体も

 国は今年度補正予算で、物価高騰の影響を受ける生活者や事業者への支援策「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」(以下交付金)約2兆円を、各自治体の人口や物価上昇率、財政力などを基に分配する。庄内と県内主要市では交付金を活用して、商品券の配布や電子決済のポイント付与、水道料の一部減免、給食費の一部補助、高齢者や障害者、福祉施設への補助事業などを行う。しかし事業の内容を各自治体任せにしたことで、中身が自治体ごとに違い、半年以上先の8月から実施する自治体も出てきている。住んでいる自治体によって内容が違うという不公平感を生んでいる。(本紙取材班)

 鶴岡市 

商品券5千円分を全市民に

 鶴岡市では2日現在、交付金を活用した計7事業を行う。関連の補正予算案を昨年12月19日の市議会で可決した。総事業費7億7258万5千円の財源は、交付金が6億4519万1千円、県の補助金が1億1655万1千円、市の持ち出しが1084万3千円。交付金は総額15億5276万1千円で、残りの約9億円は補正予算などを組んで支援事業に充てる。
 可決した事業は―
 ①500円の商品券10枚つづり5千円分を、12月19日時点の市民と母子手帳を交付した胎児に配る。発送は3月下旬~4月下旬を予定し、利用期間は4月30日~6月30日。事業費は6億2849万4千円。使えるのは、大手チェーンのスーパーやコンビニなどを除く、地元スーパーや飲食店、クリーニング、美容室、ガソリンスタンドなど約千店。店頭にポスターやチラシを掲示する。
 これまでのクーポン券や電子商品券つるおかペイは、コロナ禍の事業者を支援するためだったが、今回は市民の生活を第一に支援するため、スマートフォンを持っていない高齢者や子供も使える商品券にした。
 ②老人ホームなど高齢者施設の光熱費や食材費の高騰などを、事業費4725万円で支援する。申請の受付と交付は1月に行った。
 ③障害福祉施設の経費を、事業費2441万円で支援する。1月から始めた。
 ④保育所や放課後児童クラブなど子育て支援施設の経費を、事業費1660万円で支援する。
 ⑤畜産業者の飼料高騰分の一部を、事業費2802万6千円で補助する。
 ⑥市内酒蔵の酒米高騰分の一部を、事業費1400万円で補助する。
 ⑦物価高騰で予算不足が見込まれる学校給食センターの材料費を、事業費1380万5千円で支援する。

 酒田市 

商品券1万円分を全市民に

 酒田市では交付金を活用した2事業を行う方針。総事業費は計13億4801万円。財源は交付金が12億5464万8千円、県の補助金が9336万2千円で、市の持ち出しは無い。
 交付金を活用した2事業13億4801万円のうち、2026年度6月補正予算案に盛り込む予定の一部事業費を除いた関連予算は、26年度当初予算案に盛り込み、3月市議会に上程する。
 2事業の中身は―
 ①今年5月1日時点の全市民に、一人につき1枚千円の紙商品券10枚つづり計1万円分を、7月以降に配布する方針。市内の店舗で8~10月に利用することを想定。市が酒田商工会議所と酒田ふれあい商工会と実行委員会をつくり、利用店舗を公募する予定。事業費は11億8278万3千円。
 ②市内の小中学校、児童発達支援センター、公立・法人立保育所などに、給食費と副食費の高騰分を支援する。事業費は1億6522万7千円。
 小学校は、4月から国・県による学校給食費の負担軽減措置により、児童一人当たり月額5200円の支援があるが、これを超えた食材費分を、交付金を活用して市が負担し、給食費を無償とする。小学校の給食費は交付金の有無にかかわらず、2027年度以降も無償化を継続していく考え。
 中学校は、国・県による負担軽減措置が実施されていないため、26年度はこれまでと同じく交付金で超過分を負担し、保護者の負担額は25年度と同額となる。

 庄内町 

商品券1万8千円分を全町民に

 庄内町では、交付金の交付限度額3億1226万円に、県と町の予算も加えた事業を、1月の臨時町議会で予算化した。
 事業の内容は―
 ①町民約1万8800人に、一人につき1枚千円の商品券18枚つづり計1万8千円分を、3月に各世帯へ送る。使える期間は3~6月の予定。予算3億6090万円のうち国が3億1226万円、県が1923万円、町が2941万円を負担する。町が庄内町商工会に同事業を委託して行う。
 ②町内の高齢者・障害者施設など44カ所に、入所者数などの規模により4万~25万円を交付する。予算590万円は国の交付金。
 ③住民税非課税の高齢者・障害者・一人親世帯など計931世帯に、灯油購入費5千円を2月から支給する。予算236万円は国の交付金。昨秋は県と町で折半して同じように実施した。生活保護受給の68世帯に、庄内町商工会の商品券2500円分を2月から配布する。予算17万円は交付金。
 ④エアコンなどの省エネ家電の購入費用の25%を、6万円を上限に補助する。予算は20件分の121万円で交付金を充てる。

 三川町 

商品券2万円分を全町民に

 三川町では、交付金の限度額約1億4100万円を活用した事業を、1月の臨時町議会で予算化した。
 事業の内容は―
 ①町民約6900人に、一人につき千円の商品券20枚つづり計2万円分を、3月上旬に各世帯へ送る。商品券は町内の参加店舗で、3月14日~7月に使える。参加店舗を募集中で、店舗の一覧は商品券に同封する。
 予算1億4422万8千円のうち国が1億3005万3千円、県が818万8千円、町が598万7千円を負担する。
 ②申請があった町内の高齢者施設に、入所者数などの規模により10万~30万円を交付する。予算532万円は交付金で賄う。
 ③申請があった町内の障害者施設に、入所者数などの規模により10万~30万円を交付する。予算180万円は交付金。
 ④申請があった低所得世帯に灯油購入費1万5千円を、国と県が半分ずつ負担して支給する。予算は135万円。
 ⑤小中学生約600人分の、物価高騰で増えた給食費用の一部1食65~95円分、計895万5千円を交付金397万5千円と町の498万円で賄う。

 遊佐町 

商品券もペイペイも

 遊佐町では交付金の交付限度額約2億円で、11事業を実施する。
 そのうちの1事業では、町民約1万1800人に、1人6千円分の商品券を6月10日ごろ~6月末に発送し、町内の中小企業で7~9月に使えるようにする予定。500円券12枚つづりの紙の商品券か、電子決済のペイペイに専用コードで入金するデジタル商品券を選べる。予算9942万7千円は全て交付金。
 同じ事業で、3月1~31日にペイペイを使って町内の約130店舗で支払った場合、上限額1万円で支払額の20%を還元する。予算8千万円は全て交付金。
 ほかに中小事業者への支援など10事業を行っている。

表
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 県内主要5市の施策 

 山形市 

水道料減免や電子商品券

 山形市では2日現在、交付金を活用した計11事業を行う。1月29日の市議会臨時会で可決した交付金関連の総事業費は15億3118万円。財源は交付金が12億5976万8千円、県の補助金2億万4141万2千円、市の持ち出し3千万円。
 同市の交付金総額23億7456万6千円の残り約11億円は、補正予算などを組んで支援事業に充てる。
 決まった事業の中身は―  ①全世帯の7~10月の水道基本料を、事業費7億5451万7千円で減免する。
 ②1口5千円の電子商品券ベニペイを、25%上乗せして2万5千円まで使えるようにし、4月中旬から販売する予定。事業費4億8960万4千円。
 ③住民税非課税世帯に1世帯当たり4400円分のおこめ券を、3月上旬に発送する予定。事業費は1億2357万3千円。
 ④小中学生に図書カード1人3千円分を配る。事業費は6098万5千円。
 ⑤⑥放課後児童クラブと保育所の光熱費を補助する。事業費は計405万2千円。
 ⑦農業者の農業機器購入費の3分の1を補助する。事業費は391万9千円。
 ⑧商店街などの街路灯の電気代などを補助する。事業費は251万1千円。
 ⑨市内酒蔵の酒米高騰分の4分の1を補助する。事業費は550万円。
 ⑩⑪公共施設の指定管理者の人件費と光熱費を補助する。事業費は8651万9千円。

 東根市 

商品券1万円分を全市民に

 東根市では同交付金を活用して11事業を行う。総事業費は計6億3151万1千円。財源の内訳は交付金が5億2983万3千円、県の補助金が8173万9千円、市の持ち出しが1993万9千円。
 交付金を活用した11事業のうち、2事業5661万円は昨年12月24日の市議会臨時会で、残りの9事業5億7490万1千円は1月29日の同臨時会で議決している。
 事業の中身は―
 ①今年3月1日時点の全市民に、一人につき1枚5千円の商品券2枚計1万円分を、4月から世帯ごとに発送する。市内の店舗で利用でき、2枚のうち1枚は大規模小売店でも使え、残る1枚は小規模小売店でのみ使える。利用期間は5~8月を想定。事業費は5億1400万円。
 ②2025年度の住民税非課税世帯などに、一人につき1枚440円のお米商品券7枚つづり計3080円分を、2月下旬から世帯ごとに発送する。対象は約3千世帯5千人を見込む。事業費2027万8千円。利用可能な店舗は市内のスーパーやドラッグストアなどで、利用期限は9月30日。
 ③農業者団体などに、物価高騰で更新が進まない、果樹園などで農薬を散布する乗用自走式防除機の導入を、県の協調分を合わせた事業費5千万円で支援する。
 ④畜産農業者の飼料高騰に対し、県の事業に事業費1752万8千円を上乗せして支援する。
 ⑤加温設備などを使う施設園芸農業者の燃油高騰に対し、県の事業に事業費1072万5千円を上乗せして支援する。
 ⑥低所得の高齢者世帯など約1300世帯に、2025年度当初予算で1世帯5千円としていた灯油購入助成に、事業費661万円で同5千円を追加助成する。
 ⑦高齢者施設などの物価高騰対策を事業費500万円で支援する。
 ⑧土地改良区の揚水機場の電気料の高騰に対し、事業費360万円で支援する。
 ⑨原料米が高騰している市内の酒蔵を、県の事業に事業費250万円を上乗せして支援する。
 ⑩啓翁桜の生産農業者団体などの光熱費高騰に対し、事業費100万円で支援。
 ⑪きのこ生産者の光熱費高騰に対し、県の事業に事業費27万円を上乗せして支援する。

 新庄市 

商品券8千円分を全市民に

 新庄市では1月23日時点で、交付金の限度額約4億4千万円の7~8割を活用した事業を予算化した。
 事業の内容は―
 ①市民約3万1千人に、一人につき1枚千円の商品券8枚つづり計8千円分を、世帯ごとに送る。市内の参加店舗などで使える期間は4~7月の予定。予算2億7526万円は全て交付金。
 ②住民税非課税の高齢者世帯など約1700世帯に灯油購入費3万円を、交付金2万5千円と県の5千円を充てて支給する。このうち1万円は支給済み。予算は5195万円。
 ③小中学生約2200人の、物価高騰で増えた給食費用の一部1食40円分を、昨年11月~今年3月の80日分補助する。予算707万円は交付金。
 ④保育所の運営費と給食費の物価高騰支援に、交付金計654万円を充てる。
 ⑤農業者約700人に肥料・農薬などの資材高騰分を上限3万円で支援し、水利施設の電気料、新規就農者の設備投資などにも、物価高騰分の一部を補助。予算計4千万円は全て交付金。
 ⑥第二種免許取得交通事業者に、従業員の同免許取得経費を支給。予算63万円。

 天童市 

商品券1万円分を全市民に

 天童市では交付金の限度額約7億1千万円を活用した事業を、1月の臨時市議会で予算化した。
 事業の内容は―
 ①市民約5万9600人に、一人につき1枚500円の商品券20枚つづり1万円分を、4月下旬に各世帯へ配布する。内訳は小型店専用商品券と、売場面積千平方メートル超の大型店でも使える共通商品券を10枚ずつ。65歳以上の高齢者約1万9200人には、1万円分を上乗せする。市内の参加店舗で4月下旬~10月に使える。参加店を募集中。予算8億4000万円のうち国が6億5776万7千円、県が6091万7千円、市が1億2131万6千円を負担する。
 ②申請があった市内の認定こども園や認可保育所、幼稚園などに対して、副食費や光熱費の高騰分を補助する。放課後児童クラブには1カ所5万円を補助する。予算1739万円のうち国が1468万2千円、市が270万8千円を負担する。
 ③乳・肉用牛の飼育農家の稲わら購入費と、養豚場の飼料代を補助する。予算1135万6千円のうち国が958万8千円、市が176万8千円を負担する。
 ④酒蔵の酒米の高騰分を一部補助する。予算4057万円のうち国が3425万3千円、市が631万7千円を負担する。

 米沢市 

商品券1万円分を全市民に

 米沢市では交付金の交付限度額9億2395万1千円に、県と市の予算も加えて以下の事業を実施する。
 ①市民約7万3300人に、一人につき1枚千円の商品券10枚つづり計1万円分を、3月下旬から世帯ごとに送る。市内の飲食業や小売業など約550店で4月中旬~8月に使える。予算7億8568万円のうち国が6億8869万1千円、県が7568万9千円、市が2130万円を負担する。
 ②住民税非課税の高齢者・障害者・一人親世帯など計4400世帯に、灯油等購入費5千円を支給する。3月末までに支給予定。予算は2339万4千円のうち国が990万円、市が110万円を負担する。
 ③市内障害者福祉施設183カ所に、燃料費などを3月までに支給する予定。予算18375万5千円のうち国が1653万7千円、市が183万8千円を負担。
 ④高齢者福祉施設181カ所に、燃料費などを3月までに支給する予定。予算1777万1千円のうち国が1599万4千円、市が177万7千円を負担する。
 ⑤市内畜産経営者に飼料の購入費の一部を上限100万円で支援する。予算505万円のうち国が454万5千円、市が50万5千円を負担する。
 ⑥第三セクターの市内スキー場に電気代の高騰分を支援する。予算458万1千円のうち国が412万3千円、市が45万8千円を負担する。
 ⑦市内小中学生の給食費を来年度は無償化する。予算3億6840万3千円のうち国が1億8355万4千円、県が1億6845万4千円、市が1639万5千円を負担する。
 ⑧出生届を来年度に出した世帯に、市指定可燃ごみ袋を5袋進呈する。予算67万4千円のうち国が60万7千円、市が6万7千円。

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