郷土の未来をつくるコミュニティペーパー(山形県庄内地方の地域新聞)
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交通事故 刑法犯 2025年
酒田、鶴岡署とも交通事故増える
特殊詐欺など知能犯の増加続く

 酒田、鶴岡両警察署管内の2025年の交通事故と刑法犯罪の認知・検挙件数がまとまった。酒田署管内では、交通事故件数が過去最少の昨年より微増した。刑法犯の認知件数、検挙件数はともに前年より増えた。鶴岡署管内では、交通事故件数、死傷者数とも前年を上回り、死者は4人に倍増した。犯罪認知件数は前年を下回った一方、特殊詐欺などの知能犯は増えた。(編集副主幹・戸屋桂、編集部次長・土田哲史)

 酒田警察署管内 

歩行者はねられる事故増

 酒田警察署管内の交通事故発生件数(高速道路を除く)は、人身事故が202件で前年比13件6・9%増、死者は1人で前年と同じ、負傷者は230人で同8人3・6%増と、過去5年で最も人身事故が少なかった去年より微増した。物損事故は2267件で同59件2・5%減った。
 死亡事故は1月に酒田市東大町地内の県道で発生した。夜間、信号のある十字路で70歳代女性がはねられた。車対歩行者の事故は重大な事故になるため、ドライバーは安全運転に努め、危険を予測して運転する必要がある。
 死亡事故ではないが、8月に同市亀ケ崎で女子中学生が横断歩道を横断中に、横断歩道で止まった車を追い越した車にはねられるという痛ましい事故が起きた。
 12月には同市黒森地内の県道で車同士の事故が発生した。赤信号を無視して車に衝突し、相手の車を横転させて逃げたもので、ひき逃げで検挙し、危険運転致傷で起訴された。
 人身事故の発生状況は、12月が24件と最も多く、次いで10月の23件、9月の22件、1月の19件と続いた。最も少なかったのは8月の9件だった。
 過去5年平均では、1月30件、12月29件、2月28件、11月26件と、冬期間の事故が多いが、25年は違った。年々事故は減少傾向にあり、過去5年平均より事故が多かったのは9月だけだった。
 路線別では、市町道が81件40・1%と最も多く、国道69件34・2%、県道52件25・7%。国道のうち国道7号は41件で全体の2割を占めた。
 衝突形態別では、車両相互が168件で全体の83・2%を占め、圧倒的に多い。中でも追突が64件、出会い頭が60件だった。人対車が31件で15・3%、車両単独が3件で1・5%だった。人対車は前年比13件増えた。事故が起きた場所は、交差点が133件を占めた。
 事故原因別では、前方不注意が56件で前年比13件増と最も多く、次いで安全不確認が25件で同1件減、一時不停止が23件で同4件減、優先通行妨害が22件で同9件増、歩行者妨害が15件で同5件増、信号無視が14件で同4件減など。
 高齢ドライバーが原因となった事故の割合は33・7%で、県内全体の33・1%より0・6ポイント高くなっている。
 酒田警察署交通課では「25年は人対車の、歩行者がはねられる事故が増えた。人と車では人が必ずけがをすることになる。運転者は、交差点では車だけでなく歩行者を見落とさないように注意して、前方、左右に目を配った運転をしてほしい。夜は暗いため見落としがちになる。十字路の右折時などは特に気を付けて」と呼び掛けている。
 歩行者にも「横断する際は車の動きに注意を払い、安全確認をしてから渡ってほしい。夜光反射材を身に付けることも大事」と促す。

自転車の悪質運転に反則金

 今年4月から自転車利用者に「青切符」制度が導入され、悪質・危険な違反を取り締まる。16歳以上が対象で反則金が発生する。
 悪質・危険な違反は▼飲酒運転▼あおり運転▼遮断踏切立ち入り▼自転車制動装置不良(ブレーキ無し)▼ながらスマホ▼信号無視で交差点に進入し車両に急ブレーキをかけさせる▼傘を差しながら一時不停止した▼警察官の指導警告に従わず違反を続けた―など。
 県内の過去5年間の自転車乗車中の死傷者1406人のうち高校生が28%と最も多く、次いで高齢者24%、中学生10%、小学生6%、大学生5%、その他27%だった。死傷者のヘルメット着用率は小学生71・3%、中学生61・4%と高かったが、高校生は2・8%、高齢者は4・5%と低く、全体で15・9%だった。
 街頭でのヘルメット着用率は、23年7月調査では県全体で8・9%と全国平均の13・5%を4・6ポイント下回った。24年7月調査では県全体で10・2%と1年前より1・3ポイント上がったものの、全国平均の17・0%より6・8ポイント低く、着用率の差は広がっていた。

施錠徹底し侵入盗防ぐ

 酒田警察署管内の全刑法犯の認知件数は231件で、前年比5件2・2%増。検挙件数は164件で同12件7・9%増えた。検挙率は71・0%で同67・3%から3・7ポイント増加、検挙人員は134人で同43人47・3%増えた。
 犯罪別に見ると=表参照=、窃盗犯の認知件数が最も多く118件、検挙数は74件、検挙率は62・7%で検挙人員は45人だった。次いで粗暴犯の認知件数が52件、検挙件数は55件、検挙率は105・8%、検挙人員は64人などだった。

表
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 窃盗犯のうち侵入窃盗や自動車盗、ひったくりなどの重要窃盗犯は、認知件数が23件で同3件11・5%減、検挙件数は14件で同3件17・6%減、検挙率は60・9%で同65・4%を4・5ポイント下回った。検挙人員は8人で同5人166・7%増となった。
 非侵入窃盗犯のうち万引きが21件で最も多く、年齢層は幅広かった。次いで自転車盗が16件と前年の7件よりは増えたが、子どもが減っている影響か減少傾向。施錠を奨励している。
 凶悪犯の認知件数5件のうち強制性交等が4件。知能犯の認知件数7件のうち1件は「だまされたふり作戦」で現行犯逮捕した。
 侵入窃盗犯では、夜間、無施錠の住宅に侵入し、犯人と住人が鉢合わせした例があった。住人が通報し、犯人を逮捕したが、命の危険に関わりかねない事案だった。犯人は鍵のかかっていない家を狙って、何件も犯行を繰り返していた。
 侵入盗を防ぐために、人が家の中にいる時も鍵をかけること。ガラスを割って入るには時間もかかり音もすることから、110番する時間ができること。センサーライトや防犯カメラなど防犯グッズを活用して、侵入しづらいと思わせること―なども呼び掛けている。
 県内の特殊詐欺のアポ電の通報件数は2905件(暫定値)あり、うち固定電話に掛かってきたのは1519件、携帯電話に掛かってきたのは1386件。酒田署管内では229件で前年より110件増え、約2倍になった。このうち固定電話が135件、携帯電話が94件だった。

 鶴岡警察署管内 

死亡事故は速度超過で

 鶴岡警察署管内の交通事故発生件数は347件。前年より70件25・3%増えた。死傷者数は433人で同110人34・1%増。内訳は死者数が4人で同2人増。負傷者数が429人で同108人33・6%増えた。
 月別では12月が39件と前年と同様に最も多く、次いで10月の35件、1月の34件、8月の33件、9月の31件となっている。天候が悪化する冬と、夕暮れが早まる秋に事故が多い。
 事故原因が分かっている343件を分類すると、前方不注意の74件が最も多く、前年を7件10・4%上回った。次いで安全不確認が44件で14件46・7%増。一時不停止41件で同3件7・9%増。その他40件で同9件29・0%増。優先通行妨害30件で15件100・0%増。歩行者妨害22件で9件69・2%増。信号無視17件で同3件15・0%減。運転操作16件で同1件6・7%増。安全速度13件で同4件44・4%増。通行区分10件で同1件11・1%増。歩行者の違反1件で皆増となった。
 運転手がスマートフォンを見るなどの「ながら運転」をして歩行者や車、信号、標識を見落として事故になる事例が増えている。
 死亡事故4件のうち3件は市外在住者が関係した。スピードを出しすぎたためかカーブを曲がりきれず対向車線にはみ出し、対向車と衝突した事故が2件、夜と夕方の視界が悪い時間帯に、前方の自転車、電動車いすに追突した前方不注意による事故が2件だった。鶴岡警察署では、スピードの出しすぎは死亡事故につながる危険性が高いため、特に慎むように求めている。
 高齢運転手による事故は131件で前年比40件61・7%増えた。全事故の37・8%を占め、県平均の33・1%より4・7ポイント高い。
 高齢者が被害者になる事故も87件と同13件17・6%増えた。全事故に占める割合は25・1%と、県平均の23・9%より1・2ポイント高かった。
 県警では、運転に不安がある高齢者やその家族が相談できる安全運転相談ダイヤル「#8080」を開設している。加齢や病気などで▼視野が狭くなった▼身体の動きが鈍くなった▼物忘れが増えた▼運転中にヒヤッとした―などは注意が必要という。
 運転免許自主返納者に向けた公共交通機関の割引サービスや、ペダルの踏み間違いを防ぐ機能などが付いた安全運転サポートカーのみ運転できるサポートカー限定免許の利用も呼び掛けている。

特殊詐欺の被害者は全世代

 25年の刑法犯の認知件数は261件。前年より49件15・8%減った。検挙件数は185件で同16件8・0%減った。検挙率は70・9%で同6・1ポイント上がったが、県平均の74・3%を3・4ポイント下回った。
 認知件数の内訳は、窃盗犯が167件で同4件2・3%減。粗暴犯が38件で同15件28・3%減。知能犯が33件で同15件83・3%増。その他17件で同42件71・2%減、風俗犯3件で同3件50・0%減、凶悪犯3件で同数となった。特殊詐欺などの知能犯のみ前年を上回った。
 特殊詐欺は20、30歳代の若年層が被害者となる例が増え、被害者の世代はまんべんなく広がっている。SNSやメール、電話などで偽の警察官を語り、金を振り込むように誘導する手口が多い。
 同署では「警察官が金を振り込めと言うことは絶対にない。被害に会った場合はもちろん、被害に会わなかったとしても、詐欺と気付いたら警察に連絡してほしい」と話す。

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